編入学試験の英語試験の傾向について

はじめに

 法学部の編入学試験を実施している大学は多く存在しますが、英語試験の実施形態は大きく分けて2つタイプに分かれる様です。すなわち、

①「英語長文和訳」型

②「TOEICスコア提出義務付け」型

 最も多いのは①で、京都大学大阪大学名古屋大学熊本大学新潟大学がこれに該当します。②は最近増えているパターンで、神戸大学・金沢大学・横浜国立大学などがこれに該当します。

 

英語長文和訳型

 編入学試験の英語試験において最も多いパターンが英語長文和訳です。90分程度の試験時間に相当量の英文を和訳しきることが要求されます。辞書は持ち込み不可です(名古屋大学だけは持ち込み可能です)。英語力に加えて、「英文の内容を日本語に書き下ろす」文章力も必要となります。

 私が知る限り、有名大学の編入試験は全て「英語長文和訳を2問出題する」傾向を有しています。英語長文和訳に偏重しているのは、編入学試験における英語試験が「編入後に他の学生の足手まといにならないかを確認すること」を目的としているからであると思われます。それを踏まえると、「〇割解ければ合格ライン」型の試験ではなく、「全文和訳しきれて初めて合格」型の試験ではないかと思います(あくまで私見です)。

 出題される英文は、法学や哲学に関連するものが多いです。あまりに有名すぎる著作ではありますが下のリンクの様な英文が2問、出題されるとイメージしておいて下さい(過去問ではないですし、ここまでストレートな出題は有り得ないとは思います)。

www.marxists.org

 

TOEICスコア提出義務付け型

 最近増えているのが、「英語試験を廃止してTOEICスコアの提出を義務付ける」大学です。具体的には、神戸大学横浜国立大学・金沢大学がこのタイプです。英語試験にかかるコストを削減できるため、今後も「英語試験を廃止してTOEICスコアの提出を義務付ける」大学は増加していくと個人的には予想しています。

 具体的に何点を取っておけば良いのかは不明です。金沢大学・横浜国立大学は「TOEIC600点」を出願資格としていますが、「600点あれば良い」わけではなく可能な限り高いスコアを取っておくべきであると思います。神戸大学は「TOEICスコアを提出する」ことのみが指定されていますが、神戸大学の編入学試験の倍率が毎年高いことを考えると800点程度は取得しておきたいところです(編入学予備校では750点以上というのが1つの基準になっている様です)。

 

どう対策するのか

 TOEIC試験であれば対策は容易です。書店に行けばどれだけでも参考書は手に入りますし、TOEICスコアを上げる為のセミナーなどを開講している高専も多いはずです。TOEIC対策についてはインターネット上にTOEIC対策情報をまとめた素晴らしいサイトが無数に存在するので、このブログでは扱いません。

 問題は英語長文和訳です。編入学試験の英語長文和訳は参考書も殆ど存在しません。頼りになるのは過去問だけです。しかし、過去問を分析すれば、確実に「傾向」が見えてきますから、その対策方法を編み出しさえすれば十分に対応は可能です。勉強方法については別の機会に記事にしたいと思いますが、英語長文和訳の対策で最も重要なことは、英語和訳に慣れて「英文を日本語に変換する技術を会得する」ことです。

 頑張ってください。